コンセントのアース線の接続方法・繋ぎ方を写真付きで丁寧に説明します
![アース線の繋ぎ方](sns.png)
- 2017年08月02日
- 2017年10月23日
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知ってる人からすればアース線の接続は何てことないんですが、 分からない人からしたら電気がビリビリしたらどうしよう! 電化製品が故障したらどうしよう!と不安で手が付けられないのかも知れませんね。
家電量販店では「家電設置サービス」なるものでアース線の接続も行ってくれますが手数料として結構なお金を取っていきます。 作業自体は小学生でも出来る工作レベルの内容なので是非この機会に 自分でアース線を繋げるようになって下さいね。
そもそも「アース」とは
アース(=earth)地球という意味です。別名「接地」工事とも呼ばれています。 機器の故障や事故で漏電が起こった際に、電気を地球(地面)に逃がしてやる目的を果たします。 ただし自分でアース線を地面に埋めれば良いとか、そんな単純な話ではありません。
落雷した時に片足立ちだった場合は助かるとか、 あれの仕組みを分かっていれば何となく理解できると思いますが アース線の話から逸れてしまいますので今回は割愛します。
アース線の繋ぎ方 - 電子レンジ編
では、早速アース線の繋ぎ方を写真付きで解説していきます。 今回は例として電子レンジをコンセントに繋いでみたいと思います。
![アース線の注意書き](img1.png)
こちら電子レンジの天面に貼ってある警告シールですが、 「●感電の恐れあり / アースを確実に取り付ける」と記載されてます。 アース線が付属している電化製品には大体こんな感じで注意書きがあります。
![電源プラグとアース線](img2.png)
写真の奥側に写っている黒色ケーブルがお馴染みの電源プラグです。 その手前にある緑色の細い線がアース線です。 緑色の被膜の中には銅線が入っています。
![アース線の拡大画像](img3.png)
中身は1本1本の細い銅線ですが銅線がバラバラにならないようにシッカリとよじって1本の太い束にしておきます。 中の銅線が露出してない場合は自分でコードの被膜を剥いて下さい(2~3cmほど)。 爪を立てると簡単に剥けます。中の銅線を一緒に千切ってしまわないように優しく剥きましょう。
さらに写真のように事前準備として銅線をカギ爪のような形にしておきます。 ※そこまで重要な事ではないので不器用な人はカギ爪にしなくても大丈夫です。
![アース線の種類](img4.png)
ちなみに上の写真はノートPCに付属しているアース線です。先端にY字型の端子が付いています。 銅線が剥き出しのアース線もあればY字型の端子が付いているアース線もあります。 もちろんどちらもアース線として機能します。
![アース線に対応したコンセント](img5.png)
さて、話を戻しましょう。アース線の接続に対応したコンセントを部屋の中から探します。 恐らくキッチン・エアコン・洗濯機のそばにあるコンセントがアース接続に対応しています。 (ウォシュレット便座の場合はトイレのコンセントもアース対応しているはず)
ちなみに私のキッチンには「大型機器用コンセント」が設置されています。 これは大量の電力を消費する電子レンジ・オーブントースターなどを接続する為だけの専用コンセントです。 エアコン専用の独立コンセントは珍しくないですが、こんな大型機器用コンセントが付いている部屋は珍しいように思います。
![アース線の蓋](img6.png)
アース線の接続口です。正式名称はアースターミナルです。蓋がしてありますのでこの蓋を開けましょう。 蓋はツメで固定されているので「真上に」もしくは「真上・少し手前に引くように」 ツメを外す要領で持ち上げましょう。
![アース線の接続口](img7.png)
蓋を開けました。蓋の左右にツメが付いていて、ツメ固定用の四角い穴があるのが分かりますか? もしも蓋が固くて開けられない場合はマイナスドライバー等を突っ込んで、 こじ開けても構いませんがプラスチック製の蓋なので破壊しないように優しく扱うようにして下さい。
そして中にネジ、その下に座金があります。
![アース線の接続口](img8.png)
プラスドライバーでネジを緩めます(緩める場合は反時計回り)。 ネジを緩めるとその下にある座金が一緒に浮いてきます。
![アース線を突っ込む](img9.png)
ここでアース線の登場です。座金の下にアース線の銅線を潜り込ませます。 ポイントはカギ爪をネジの周囲にグルッと巻き付けるようなイメージで突っ込みます。 ※カギ爪にしなかった方はおもむろにアース線を突っ込んじゃって下さい。
![アース線を突っ込む](img10.png)
ネジに銅線が巻き付くようにアース線を接続しました。 上手く銅線がネジに巻き付いていると手を放してもアース線が抜け落ちてくる事はありません。
![ネジを締めあげる](img11.png)
アース線を接続したら、あとはネジを締めて座金を固定していきます(締める場合は時計回り)。 ギチギチに締め上げると銅線が千切れてしまいますので注意して下さい。
![接続に問題がないか確認](img12.png)
ネジと座金を固定し終えたらアース線を手でグッ、グッと引っ張ってみて線が抜けないか確認して下さい。 思いっ切り引っ張ると、これまた銅線が千切れてしまうので程々の力加減で大丈夫です。
![蓋を閉じる](img13.png)
最後に蓋を元通りに閉じましょう。
![アース線の接続完了](img14.png)
これでアース線の接続は完了です。蓋を開ける→ネジを緩める→アース線を突っ込む→ネジを締める→蓋を閉める。 慣れれば3分程度の作業です。
![アース線とプラグの差し込む順番](img15.png)
アース線の接続が完了してから最後に電源プラグを差し込みます。 例えば車のバッテリー等を扱う場合、プラスが先・マイナスが後(電源プラグが先・アース線が後)の順番で接続していきます。 しかし電化製品の場合にはこの法則は当てはまらないので注意して下さい。
また、アース線は必ず専用のアースターミナルに接続して下さい。 ガス管・水道管・電話線のアース・避雷針からアースを取る事は法令で禁止されています。
アース接続の疑問点を挙げてみた
迷いそうな部分をQ&A形式でまとめてみました。
アース線の長さが足りない場合は?
電化製品の設置場所からアース線がコンセントまで届かない場合、 もっと長いアース線がホームセンターで500円程度で売っているので そちらと交換する必要があります。
コンンセントに対してアース線の本数が多い場合は?
1つのアース接続口に複数本のアース線を突っ込んでも大丈夫です。 例えば冷蔵庫・電子レンジ・オーブン、3本のアース線を1つの接続口に突っ込んだりしても問題ありません。
アース線は何の為に接続するの?
アース線には2つの目的があります。「漏電時の感電事故防止」「ノイズ除去」です。
漏電時の感電事故防止
湿気が多い場所や水気の多い場所では漏電の危険があります。 もしも漏電してしまった場合、アース線が感電事故を起こすのを防いでくれます。 エアコン・洗濯機・キッチン家電のアース接続は主に感電防止の目的があります。
ノイズ除去
一方パソコンや液晶モニターなんかのアース線は主にノイズ除去の役割を果たします。 パソコンをはじめとするデジタル機器はノイズを発生し他の機器類に影響を与える事があるので、 アース線がそれらの問題を防いでくれます。 また、静電気障害を防止する役割があったりデジタル機器の故障を防いでくれる側面も持ち合わせています。
例えば窓を開けっぱなしのまま出掛けて、窓際に設置していたパソコンが雨に濡れてしまって漏電。 そのままパソコンや電源プラグに触れて感電事故、なんて事も有り得ますので パソコンに付いているアース線だって感電防止の役割も兼ねています。
アース線は絶対に接続しないといけないの?
アース線を接続するように推奨されていますが繋がなくても製品として正常に使用できます。 私もパソコンのアース線を接続しないまま4年間使用しています。 もちろん問題なく動作していますし壊れる気配も今の所まったくありません。
![アース線の銅線処理](img16.png)
ただし、アース線を繋がないという判断を下した場合は 必ずアース線から露出している銅線部分の絶縁処理をしておきましょう。
![アース線の絶縁処理](img17.png)
このような感じで銅線部分をテープでグルグル巻きにしておいて下さい。 私はこの写真を撮るだけの為に巻いたのでマスキングテープで手抜き処理をしていますが 必ず絶縁テープもしくはビニールテープを使用するようにして下さい。
まとめ
アース線の接続は事故防止の為
アース線は万が一の事故や機器の故障を防ぐ目的で接続するので、 逆に言い換えると事故が起こらない限りはほとんど役に立たないです。 (もちろん販売元のメーカーがそんな事言うはずありませんがね・・)
私も「アース線は無駄だ!」なんて言うつもりはありませんが、 そこまで神経質になる必要はなく、むしろデジタル機器や家電を濡れた手で触ったり、 水を掛けたりしないよう普段から気を付けておく事の方が大切です。
では、本日もご安全に!